万宝山事件と中村大尉殺害事件には触れない記述

満州事変を語るときの典型的詐欺手法。


 梅田正巳著「近代日本の戦争」では満州事変が発生した原因については実にさらりと流しています。「日本悪」を刷り込むためには日本が受けた被害はなかなか書けないというのが伝わってきます。見れなかったのですが、先日のNHKスペシャルでも満州事変の原因についてはほとんど触れなかったと聞いています。これが戦後利得者の詐欺手法なのでしょう。

P100 張作霖爆殺事件後、張学良が国民党の統治下に入る


 以後、満州での抗日・排日の動きは日々強まっていきます。満鉄と並行する路線が中国側の自力で建設され、満鉄の独占事業をおびやかし始めました。
 こうして情勢が緊迫してゆく中、1931(昭和6)年8月初め、日本陸軍中枢は重大な方針を決定します。「満蒙問題解決」のため1935年(昭和10)年を目標に軍事行動を起こすというのです。しかし関東軍は、その時すでに軍事行動の準備に入っていました。

 こう書いておいて、内地から大砲を持ち込んで、柳条湖で満鉄を爆破したところに持っていっています。

 実際には国民党は「鮮人駆逐令」によって満州から朝鮮人を追い出そうとします。行き場を失った朝鮮人長春の西北約20キロの万宝山に入植し、ここで万宝山事件が起こっています。これは朝鮮半島でも暴動がおきた大事件です。梅田氏はこの事件を抹殺しました。
 また、中村大尉殺害事件があり、中村大尉は対ソ戦に備えた兵要地誌作成のため、井杉延太郎(予備曹長)とともに変装して興安嶺方面を偵察中だったとき現地の屯墾軍につかまり、壮絶なリンチを受け殺害され遺体は燃やされました。日本国民は激昂しました。この事件も抹殺しています。

>満鉄と並行する路線

 日清間で満州善後条約というのを結んで、並行線は禁止になっていたはずです。梅田氏はこの条約違反について言及がありません。条約にはうるさく書いているはずですが、支那の条約違反には寛大ということでしょう。


 満州事変に至るまで日系工場の強制閉鎖、設備破壊、鉱山採掘の禁止、日本人に対する土地貸与の禁止、森林採筏の禁止、鉄道運行妨害、強盗、鉄道施設の略奪、電線の略奪・・・張軍閥は日本に対してだけではなくソ連に対しても北満州の鉄道を強制回収したため紛争が起こっています。
 次第に張軍閥の要求は次第にエスカレートし、関東軍の駐兵権を無効とする撤兵要求、満鉄の接取も要求してきます。現地在留日本人は危機感を募らせていっているのです。梅田氏はこれら日本人が受けた被害、日本人の思いというものは全く無視しています。梅田氏は本当に日本人なのでしょうか。



関連記事
 万宝山事件と中村大尉殺害事件 http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/21555060.html
 満州事変と朝鮮人 http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/25840289.html
 ジャイアンを懲らしめろ 〜 満州事変 http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/27160038.html

添付画像
 万宝山事件の衝突現場写真(PD)

広島ブログ クリックで応援お願いします。