南京戦のスマイス博士の調査

 昭和12年、南京には国際委員会というのがあり、書記に金陵大学のスマイス博士という人がいます。この人が南京戦の被害調査を行っています。

<死亡原因>(都市部調査)
 軍事行動    800人 (冲突)
 兵士の暴行 2,400人 (事故)

 インチキ日本人はこの調査を無視するか、さもなくば「一般住民の死者があまりにも多い点」とだけつまんだり、「数字は過少」と言っているようです。
 この数字ですが、調査項目が入れ替わっているという指摘があり、なんらか歪曲された節もあります。「事故」と「冲突」が入れ替わっているというもので、結構説得力のある話がネット上にあります。http://nankinrein.hp.infoseek.co.jp/page010.html この説に従うと以下のようになります。

<死亡原因>
 軍事行動  2,400人 (冲突)
 兵士の暴行   800人 (事故)

 実はスマイス博士は国民党宣伝処顧問のティンパーリーの依頼を受けて調査を行っていました。これらのことを考え合わせると上記の数字の信憑性も怪しくなってきます。実際、スマイス博士はこの調査結果以外に被害者推定約12,000とも書いており、ティンパーリーの数字と一致しています。また、都市部以外にも農村部も調査しており、この調査方法が都市部と異なっていることを歴史学者の北村稔氏が主張しており、この方法だと数字がかなり大きくなってしまうと著書で述べています。結局、スマイス調査も捏造ということになります。

 このスマイス報告は1940年に日本の興亜院政務部が南京の調査を行った報告の中で述べられています。吉田三郎という人の報告です。
「これはその時にもらった資料でありまして南京地方に於ける戦争によるフィールド・リサーチ以下各種の統計的研究であります。こういうものを世界中に配って基金を集めているのです。その中には南京地方に於ける農産物の調査、南京地方の人口調査等、所謂(いわゆる)科学的調査を標榜しつつ、そのことによって日本が飛んでもないひどいことをやっているような印象を世界中に統計を通して与えている。しかしよく看ると科学的な研究という面を被った排日宣伝文書であります」
「たとえばこういうことをやっている。南京地方に於ける損害の統計を作る場合に、戦争の直接の被害、火災によるもの、日本の軍隊の略奪によるものというような項目が挙がっており、火災の場合についていえば、支那軍が逃げるときに放火したために焼けたものまで皆その中に一緒に入れてある。数字としては極めて確かだけれども、これでみると皆日本軍がやったことのように見えるのです。その様に巧妙なる科学戦争というものが世界中にこの機関から通してまかれている事実を見たのであります」

 なるほど。当時から見破っていたのですね。しかし日本は宣伝戦に対して認識が甘かったのは否めないでしょう。



参考文献:
 「『南京事件』の総括」田中正明
 「『南京事件』の探求」北村稔著
参考サイト
 スマイス調査の疑惑 http://nankinrein.hp.infoseek.co.jp/page010.html

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