そして日清戦争を日本の詐欺的強盗行為とまで言った

どこまでも憎い日本。


 梅田正巳著「近代日本の戦争」は日清戦争は日本の詐欺的強盗行為とまで言っています。
 梅田正巳著「近代日本の戦争」P69



 「庇を借りて母屋を乗っ取る」ということわざがあります。
 庇とは軒のことです。雨が降ってきたので、ちょっと軒下を借りますよと言って、どうぞという返事をもらい、そのうちに何だかだと言いながら座敷に上がりこんでいき、ついにその家の本体を乗っ取ってしまう、そういう詐欺的強盗行為のことを言います。
 「兵員若干」という約束だったのに、それを勝手に何十倍も拡大解釈して大兵力を送り込み、戦争に持ち込んでいったのも、これと同じ国家が行った詐欺的強盗行為といわざるを得ないでしょう。

 誰が乗っ取ろうとしたというのでしょう。清は出兵にともなう通告文の中に「属邦保護」の文字がありました。わが国は「朝鮮国が清国の属邦たることを承認せず」と反論しています。そして共同改革をしようと呼びかけています。下関での講和条約には「清国は、朝鮮国が完全無欠なる独立自主の国であることを確認し、独立自主を損害するような朝鮮国から清国に対する貢・献上・典礼等は永遠に廃止する。(第一条)」と書かれています。自主独立です。

 極東外交史に通じているペイソン・トリートは三名の米国在外使臣の見解が、彼らの置かれた場所によってどんな風に影響されたかを見てみると興味深いものがある、として以下を記しています。※1

 北京駐在代理公使デンビー
「日本の行動は当地では性急かつ不当に好戦的なりと批判されている」

 北京では当然のように日本批判が行われていることを物語っています。

 ソウルのシル弁理公使
「日本は朝鮮に対して非常に好意的であるように思える。日本が欲することは、朝鮮に対するシナの宗主権という束縛を一挙に断ち切ること、そして次には朝鮮国民に平和と反映と啓蒙をもたらすような改革を援助することによってその弱き隣国が独立国としての地位を強化するのを助けること。これだけであるように思える。この動機は、多くは聡明なる朝鮮国官吏を満足させるものであり、また米国の否認すべきものでもないと考える」

 東京駐在のダン公使
「朝鮮における日本の行動の動機のまじめなる事を認めていたこと・・・」

 ソウルと東京では日本を好意的に見ており、公使の見解も含まれています。特にソウルという現場での見方は重要でありましょう。「独立国としての地位を強化する」と述べています。これらのどこが「詐欺的強盗行為」とまで言えることなのでしょう。梅田氏はそれほどまで日本が憎いのでしょうか。


※1 展転社大東亜戦争への道」中村 粲著 より引用


添付画像
 連合艦隊旗艦松島(PD)

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