義和団事件も日本が悪い?

なんでもかんでも日本悪にしないと気がすまない。


 1900年の清国で義和団事件発生しました。義和団は宗教的な秘密結社で、団徒は義和拳という憲法を習い、熟達すれば弾丸、刀剣の危難を防ぐことが出来ると信じるほどの迷信集団です。この集団は「扶清滅洋」と高唱して排外運動を起こし、キリスト教徒を殺害し、外国人を殺害し、教会、鉄道、電線を破壊し、外国大使館を襲いました。なんと清国は取り締まるどころか、義和団に味方して列強に対して宣戦布告したのです。欧米は支那から近い日本に出兵を要請し、日本軍が主体で乱を鎮圧しました。※1 この義和団事件では柴五郎中佐の話が有名でしょう。

梅田正巳著「近代日本の戦争」 日本の出兵についての考察 P81


 では、なぜ義和団の運動が起こり、各国公使館などを攻撃したのか?
 理由は、列強諸国による中国への文字どおりの帝国主義的侵略です。中国の国家主権と国土に対する寄ってたかっての侵害です。前に長々と列記しました。
 そしてその帝国主義諸国の中国への全面的侵略の扉を開けたのが、日本でした。朝鮮の支配権を獲得するために、清国に戦争をしかけ、戦争に引きずり込み、勝利して莫大な賠償金と国土をもぎ取ったことで、列強諸国がその後むらがって利権を奪い合う、そのレールを敷いたのです。

 まるで日本が全面的に悪いような書き方です。日本嫌いの歴史家でも普通ここまでは言いません。日清戦争まで清国は「眠れる獅子」といわれ恐れられていたわけで、大国である清国と小国日本の戦いですから、日本が戦争に引きずり込むという見方は完全に誤っています。日本は自国の安全保障上、朝鮮を独立国としたかっただけです。たしかに日清戦争で小国に負けた清国の弱体化を欧米列強は確認し、群がり始めましたが、日本の責任ではありません。また、清国は近代化に大きく立ち遅れており、康有為らが改革を実施しています。それを潰したのは西太后です。これは梅田氏も日清戦争の項(P74)にも書いています。清国の弱体化は清国の責任です。


 そしてその結果巻き起こった中国民衆の反帝国主義戦争 − 義和団戦争では、日本軍は各国連合軍の主力部隊として戦い、再び勝利しました。この戦争で日本は最初から最後まで中心的役割を果たしたのです。
 では、その出兵の正当性、合法性はどうか。
 答えは、今要約した経過から見ても明らかでしょう。
 義和団戦争の本質は帝国主義による侵略戦争であり、どう言いつくろったところで、侵略戦争に正当性・合法性があるはずはないのです。

 もうむちゃくちゃな論述です。まず、義和団に襲われた北京の日本人の生命と財産は清国が守らなければなりません。しかし、清国まで義和団に味方したのですから、お話になりません。この場合は日本が出兵して日本人を保護するのは正当な話です。暴徒に対して集団的自衛権も行使しても問題ありません。梅田氏の著書では一貫して「日本人の生命と財産」という観点を消し去っています。それに日本が清国領土に武力侵攻したから義和団が蜂起したわけではありません。
 それから梅田氏は帝国主義の「侵略」と書いていますが、この当時は「侵略」の概念は国際法上はありません。侵略に正当性がないというのなら、清国自体は大侵略国家であり、国家そのものに正当性がないことになります。

 全く何が何でも「日本悪」に結び付けたいようです。どこまでも「日本憎し」なのでしょう。


※1 展転社大東亜戦争への道」中村 粲著 を参考

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 義和団事件 http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/22655133.html

添付画像
 義和団の兵士(PD)

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