風評被害に負けるな、福島米

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福島産米:全袋検査25日から 識別番号で測定値を確認

毎日新聞 2012年08月24日 22時36分(最終更新 08月24日 23時35分)

  福島県の12年産米の全袋検査が25日、同県二本松市で始まる。県内で収穫予定の全量約36万トンを対象に、県は30キロ袋詰めの米を1袋ずつ調べ、放射性セシウムが食品基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下の袋だけ出荷を許可する。個体識別番号を袋に張り、測定値を確認できる仕組みもつくった。 続き http://mainichi.jp/select/news/20120825k0000m040122000c.html

 読売新聞(※1)では二本松市でコメづくりに励んできた安斎孝行さんを取材していました。安斎さんは「透明感があって、今までにないくらい素晴らしいコメだ。でも、放射性物質が検出されるかどうか不安でいっぱいだ」と述べています。昨年は玄米で1キロあたりわずか20ベクレル前後が検出され、精米後は不検出だったにもかかわらず、同じ地区の農家からキロ当たり100ベクレル超が検出されたため、国の指示でほとんど出荷できなかったのです。

 福島の農産物は昨年全国的に敬遠されましたが、100ベクレルというとどんなものなのでしょうか。内部被曝外部被曝の人体への影響の違いを考えて、それぞれに係数を足し合わせて表す単位にシーベルトがあります。こちらのほうが馴染み深いでしょう。ネットでベクレルをシーベルトに換算するサイト(※2)があるので便利です。100ベクレル放射性物質セシウム137)を含む食物を毎日1キロ、1年間食べると0.4745 mSv(ミリシーベルト)被曝します。日本では自然に約2.4mSv/年、被爆します(※3)から微々たるものであることがわかります。年間100mSv以下の被曝で健康を害した例はありませんから、100ベクレルなどまったく問題ないことがわかります。こんなので大騒ぎしていたのですからおかしな話です。

 こうした風評被害の原因を作ったのは政治家やマスコミで、政治家が被災地入りしたとき、現地の人が普段着なのに頭から防護服をかぶって面会したり、「セシウムつけちゃうぞ」などという政治家がいたのはよく知られているでしょう。マスコミはいちいち「牛肉から何ベクレル検出!」「お茶から何ベクレル検出!」「稲わらから何ベクレル検出!」と報道しましたが、それが科学的にどういうものかをほとんど説明しようとしませんでした。不安をあおり風評被害が生まれたのです。

 私の妻も「セシウムは危険」と言っていたので、私が「セシウムで健康を害した人はいない」というと「将来に影響がでる」と言っていました。テレビだけが情報源の妻はマスコミに洗脳されてしまっていたのです。チェルノブイリ原発事故の健康被害を調査した長崎大学名誉教授の長瀧重信氏は25年間セシウムで健康を害した人はいない(※4)と述べています。広島、長崎の原爆でもセシウムで死んだ、癌になったという例はありません(※5)。

 昨年の震災後に私の加入する健康保険組合からある冊子が配られました。「放射能からママと子どもを守る本」(※6)とタイトルで、最初の方を読んで仰天しました。

「そうしたデータ(広島、長崎の原爆、チェルノブイリの事故)から『年間100msv以下では発がんしたデータが見当たらないから安全』とする研究者もいます。しかし、そうした研究者に、100mSv以下であれば絶対にがんにならないというデータはありますか、と聞いてみても、それを証明できる確たる証拠はないはずです」

"○○が100%ないことを証明する"ことを「悪魔の証明」といいます。この著者は「悪魔の証明」をしてみろ、と言っているのです。これでは話になりません。

 そもそも人間の体には放射性カリウム40、放射性炭素14、放射性ルビジウム87など、自然の食品の中に含まれる放射性物質を摂取して一定量維持されています。60キロの体重の人ですと7000ベクレルほどになります。干し昆布には2000ベクレル/キロの放射性物質が含まれています(※3)。100ベクレルで大騒ぎするのに2000ベクレルで何も騒がないわけです。

 こんなかんやで風評被害をうけた福島の農家の方々はまったく気の毒なことです。われわれは政治家やマスコミ、不安を煽る怪しい学者にまどわされず、科学的に示された事実をもってして冷静に判断する必要があります。最後に文頭で紹介した農家の安斎さんが全国に向けて述べた言葉を記しておきます。

「やれることはすべてやった。検査を通った安全なものだけを流通させるので、全国の皆さんには福島のおいしいコメを食べてほしい」(※1)




※1 読売新聞8月24日朝刊 社会36
※2 ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv)計算・換算 http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php?guid=ON
※3 新潮新書「『反原発』の不都合な真実」藤沢数希(著)より
※4 長瀧重信氏「セシウム飲んでも影響はない」 http://www.dailymotion.com/video/xj8p6i_yyyyy-yyyyyyyyyyyyy_tech より
※5 日新報道脱原発のウソと犯罪」中川八洋(著)より
※6 法研放射能からママと子どもを守る本」野口邦和(著)

添付画像
 色づく稲穂と磐梯山福島県猪苗代町。 Author:Breakover(CC)

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