チベット人への洗脳教育

 中共ではチベット人チベットの伝統や文化はほとんど教えず、ダライ・ラマ法王を「国家分裂主義者」と批判しています。西蔵ツワンさんは日本でお医者さんになっていますが、子供の頃、洗脳教育を受け、その後父親に連れられて命がけでヒマラヤを越えて亡命してきた人です。

 人民服に真っ赤なスカーフ。ワッペンをつけて「アメリカ帝国主義反対!」「ダライ・ラマは国家分裂主義者」と競い合って叫んだそうです。ワッペンにはランクによって1本線から、3本線があり、ランクの高い3本線は漢民族の子が多かったと述べています。
 プロパガンダ映画というのがあり、1959年のチベット動乱のニュースフィルムでは中共軍が正義でチベットのお坊さんは悪で描かれているのです。満州事変の映画などは中共軍が戦って日本を追い出したことになっていたそうです。映画では悪いやつが出てくると石を投げたといいます。なんだか現在の中共でも南京プロパガンダ映画でそういう人がいるというニュースを思い出しますね。

 西蔵さんはそうしているうちに自然に洗脳されていき、インドに亡命した自分の父親も悪と思うようになったと述べています。もちろんその後は洗脳が解かれています。
 大人の場合も毛沢東共産党がいかに素晴らしいかという思想教育の勉強会があります。街の広場では公開裁判や公開処刑が行われます。貴族や高僧たちを「われわれ解放軍がチベットに入る前、あなたは人民から搾取し、土地を奪いましたね」。抗弁は許されず、裁判官が判決を告げると立て札に漢字で罪名が書かれ、そのまま連れて行かれて、後頭部にズドンと一発、射殺されておしまいです。それまで敬ってきた高僧の死骸に唾を吐きかけるチベット人がいたといいますから、大人でも洗脳される人がいたのでしょう。あるいは踏み絵のように無理やりやらされていたのでしょう。

 1996年5月に中共の「愛国再教育」キャンペーンが着手され、チベットの僧侶や尼僧たちは政治的忠実を約束するため署名をするよう命じらています。そして、工作隊によって再編されたチベットの歴史と宗教を、何の疑いもなく承知するべきと命じられます。僧侶たちは秘密に監視され2,827名がそれぞれの寺院や尼寺から追い出され、165人が逮捕され、9人が死亡し、35人は自主的に寺院を去りました。工作隊は、「ダライ・ラマの悪事とチベット民族主義の弊害」を教え込みます。

 大人や僧侶の場合は、ある程度洗脳されたフリができますが、子供の場合は恐ろしいですね。日本にも言えることです。



参考文献
 「アジアの試練 チベット解放はなるか」櫻井よし子編
   『私が体験した”洗脳・密告・公開処刑”』西蔵ツワン
参考サイト
 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
   チベットにおける「政治思想教育」 http://www.tibethouse.jp/human_rights/human21.html
   チベットでの中国の存在と人権の侵害- 意見と表現の自由 - http://www.tibethouse.jp/human_rights/human09.html
 チベットでの中国の存在と人権の侵害−宗教の自由− http://www.tibethouse.jp/human_rights/human08.html


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