NHK大河ドラマ「平清盛」に「王家」と表記した深層

反皇室相変わらずのNHK。


 NHKの次期大河ドラマの「平清盛」で皇室を「王家」と表記しているとツイッターで流れていました。NHKのサイトを見るとしっかり「王家」と書かれていました。http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/pre/03/diagram.html

 この「王家」という表記には二つの意図が隠されています。

 一つは「王家」の「王」は「皇」より格が下になるということです。歴史上、支那の皇帝は冊封体制によって周辺国を従えていました。周辺国の長は支那の皇帝に朝貢(貢ぎものを納める)して、「王」に封じてもらい、その権威で国を治めていました。日本も例外ではなく、志賀島で発見された金印(紀元57年のもの)に「漢倭奴国王」と書かれており、冊封体制に組み込まれていたことがわかります。これを打破したのが聖徳太子の外交で607年第二回遣隋使派遣で隋の皇帝に「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」と国書を送り、対等を主張し、さらに「東の天皇、敬みて西の皇帝に白す」という国書を送りました。ここで初めて「天皇」という「皇」の言葉が登場しました。

 従って皇室を「王」と呼ぶのは、その権威を貶めることになり、支那や韓国が日本の天皇のことを「日王」と呼んでいるのと同じ目線であるということです。

 さらに、「家」というのも誤りであり、天皇には「姓」がないので、「家」もありません。「天皇家」という言葉をつかっているマスコミがありますが、全くの誤りです。正しくは「皇室」です。「姓」がない皇室は「無私」の存在です。「家」というのは一つの私的存在ですから、「家」と呼ぶことにより、徳の高い無私の存在から私的存在に貶めることになります。(※1)

 NHKほどの高学歴者の集団がこれらのことを知らないはずがありません。「王家」と表記しているの皇室を貶めるための明らかな作為です。

 NHKは反皇室の急先鋒としてよく言及されています。平成21年11月12日の天皇陛下即位20周年をお祝いする奉祝行事を公共放送であるNHKはトップニュースで扱いませんでした。さらに「天皇陛下憲法で定められている象徴としての役割を果たしていると思うか?」という天皇陛下を査定するような大変失礼なアンケートまで実施しています。(※2) さらに驚くのは御在位20周年祝典のニュースの前にたった100人から200人規模の反天皇の集会とデモのニュースを放送したのです。(※3)

 NHKはどうしてこのような「反皇室」になったのでしょうか。それは戦後まもなくのGHQの工作によるものが大きいでしょう。
 以前、GHQ製の日本国憲法を調べていると憲法研究会というのにいきあたりました。これは日本の共産主義者たちの集まりで、憲法草案を作成していました。GHQ憲法はこの草案をかなり参考にしています。この憲法研究会のメンバーに高野岩三郎という人がいます。この人自身も憲法草案を書いており国立国会図書館に行けば原本を見ることができます(※4)。その文頭にはこう書いてあります。

「根本原則 天皇制を廃止し、之に代えて、大統領制を元首とする共和制採用」

 そしてこの高野岩三郎NHK会長に就任したのです。この頃、GHQ支配下であった日本は公職追放が吹き荒れており、その穴埋めに共産主義者たちが公職につきました。それで高野岩三郎はNHK会長になったのです。GHQの検閲に貢献したのも高野岩三郎です。GHQは当初は共産主義に寛容で途中で反共に転換しましたが、容共時代の政策はその後の日本を大いに苦しめ、現在でも多大な後遺症があります。高野岩三郎のNHK会長就任はNHKを蝕み、反皇室風土を根付かせたに違いありません。NHKはGHQ憲法に抵抗した「白洲次郎」についてはドキュメンタリー番組を作って報道しましたが、GHQ憲法に貢献した元会長・高野岩三郎については語りません。国民に反皇室イデオロギーを悟られたくないため隠しているのです。

 こうした歴史的経緯のあるNHKの反皇室イデオロギーは極力目立たないよう、何か指摘されても言い逃れできるよう、装いながら少しずつ「公共の電波」を通じて日本国民を洗脳していっているのです。




(※1)皇室、聖徳太子に関する記述は小学館天皇論」小林よしのり(著)、青春新書「聖徳太子」千田稔(監修)を参考にして記述。
(※2)オークラ出版反日マスコミの真実」ジャーナリスト高清水有子「御在位二十周年行事報道から見えたもの」より
(※3)WILL2010.1「テレビ捜査班 NHKが天皇陛下の勤務評定」水島総より
(※4)国立国会図書館のネット公開でも見れる。2-13 高野岩三郎憲法改正http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/02/045shoshi.html

関連記事
 GHQ憲法共産主義者の作文 http://d.hatena.ne.jp/jjtaro_maru/20110427/1303831615
 GHQの焚書と検閲 http://jjtaromaru.blog76.fc2.com/blog-entry-96.html

添付画像
 『天子摂関御影』の清盛肖像(南北朝時代)(PD)

広島ブログ クリックで応援お願いします。