四方拝


 天皇陛下は毎年1月1日(元旦)の午前5時半、皇居内の南西部にある「宮中三殿」と呼ばれる神社のような建物が並ぶ一帯の構内にある、神嘉殿という建物前の庭にいかれます。まだあたりは暗い時間です。
 陛下は平安時代から伝わる古式の装束のお姿で庭の中央にある屋根だけの東屋のような場所へ移動され、そこに敷かれた畳の上で、まず伊勢神宮(祖先神)、そして四方の神々に向かって、国の安泰や農作物の豊作を祈って礼拝を行います。これが「四方拝」と呼ばれる皇室祭祀です。

 この後、陛下は年始を祝う「歳旦祭」を行われ、拝礼されます。皇太子殿下も続いて拝礼されます。こうして2700年の伝統と歴史をもつ日ノ本の国の一年が始まります。

 こうした天皇陛下の祭祀については国民の意識が薄く、あまり知られていないと思います。新聞では元旦にカラーで天皇陛下と皇族方の写真が載りますが、ファミリーをイメージさせているものばかりです。祭祀王としての天皇陛下という本来の姿、本質を載せるべきだと思います。

 天皇陛下は続いて「晴の御膳」という儀式を行います。ネットに昨年のニュースが残っていました。http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/080105/imp0801050900000-n1.htm 実際には箸をつけるだけで口には入れないそうです。

 午前10時になると「松の間」で各皇族からの祝賀を受けます。11時になると「梅の間」で首相、大臣、官房副長官副大臣・・・の各夫妻から祝賀の挨拶を受けます。再び「松の間」に移動して衆参両議長、副議長、議員・・・夫妻から祝賀を受けられます。次に「竹の間」で最高裁判官、同判事、・・・司法関係の各夫妻からの祝賀を受けられます。次は中央官庁の事務次官、各都道府県の知事・・・そしてお昼です。午後は各国大使の祝賀を受けられます。

 ふう、結構な激務ですね。



参考文献
 「天皇論」小林よしのり
 「天皇陛下の全仕事」山本雅人著
参考サイト
 WikiPedia歳旦祭

添付写真
 皇居を大手町付近より撮影(JJ太郎撮影 PD)


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