中越沖地震のときの東電社員の奮戦

 がんばれ東電社員。


 福島第一原子力発電所の事故の話が大きなニュースになっていますが、平成19年(2007年)の中越沖地震のときの東電社員の奮戦を思い起こし、東電社員を激励したいところです。高山正之「変見自在」をもとに紹介します。

 中越沖地震のとき柏崎刈羽原子力発電所で4号機の炉心内のパイプに280度の高圧蒸気が残りました。それを解除するには長時間の慎重な作業が必要でした。当直の班長、入江善孝氏は部下に「悪いが、自宅に電話しないでくれ」と言い、部下は全員頷きました。家だけでなく家族の安否もあるのですが、今はそれを考えないでくれ、ということです。後の調査でわかりましたが社員の家31戸が全壊し、82戸が半壊していました。

 汗みどろの20時間が過ぎて圧は見事に抜けました。4号機に続いて3号機も同じ状況で、夜勤明けの社員や駆けつけた非番社員の協力で正常値に戻しました。
 一段落した3日目、部下の一人が帰宅したいと班長にお伺いを立てました。もちろん、OKですが、理由がなんと「自宅の取り壊しがあるので」というのです。家庭より原発の安全性を優先させた責任感を日本機械学会が表彰しました。(平成20年度部門賞 貢献表彰 「中越沖地震被災時における原子炉機器健全性点検および冷温停止運転操作の完遂」http://www.jsme.or.jp/pes/Award/past.html

 公を重んじる、これが真の日本人ではありませんか。


 頭下げ「心からおわび」=原子炉状態、あいまい説明−建屋爆発・東電副社長ら http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031200625

 マスコミは東電の発表が曖昧だと責めていますが、東電社員を激励する記事の一つぐらい書いたらどうでしょう。柏崎刈羽原発事故の後、マスコミの過度な報道によって観光・漁業・農業などで「買い控え」がおきると言った二次的な風評被害が発生しています。マスコミはそれをお忘れか。東電側はこういうことも頭に入れ慎重に説明しなければならないのですよ。


添付画像:柏崎刈羽原子力発電所 Auther:Hideyuki KAMON from Takarazuka / 宝塚市, Hyogo / 兵庫県, Japan / 日本

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