駐露大使更迭・何がホント?ただの責任のなすりあい?

 それぞれの言い分があるようですが・・・

<駐露大使更迭>私はロシアに詳しくない…首相、怒り爆発
毎日新聞 12月24日(金)2時30分配信


 関係者の証言をまとめると、政府が河野雅治駐ロシア大使(62)を事実上更迭する背景には、在ロシア大使館側から発信された情報を信じ、ロシアに対して事前に北方領土訪問の中止を求めるなどメッセージを発信できなかった官邸側の強い不信感があるようだ。
 メドベージェフ大統領が9月下旬に北方領土を「近く訪問する」と明言、10月下旬に訪問の観測記事が頻繁に流されて以降も、外務省は首相官邸に「訪問はない」と報告し続けた。菅直人首相は、周辺に「本当に行かないのか」と繰り返し確認したが、返ってきたのは「大使館からの情報では『訪問はない』ということです」との答えばかりだった。
 だが、大統領は11月1日、北方領土国後島への訪問に踏み切った。一時帰国を命じられ、同月3日午前に帰国した河野大使は、同日夕、外務省の佐々江賢一郎事務次官、小寺次郎欧州局長らとともに首相公邸に呼び出された。菅首相仙谷由人官房長官が事情聴取を始めた。
 「なぜだ。なぜ訪問しないと判断したのだ」。官邸側から問いただされ、河野大使は「ロシア外務省からそういう報告を受けていましたから」と答えた。これに菅首相はカチンときた。「そんなことは聞いていない。誰が言ったかじゃなく、どうしてそう思ったんだ」
 口ごもる河野大使を見て、仙谷長官が助け舟を出した。「大統領はプーチン首相との関係など、いろいろあるのじゃないのか。そのあたりの判断は」。だが、河野大使の口は重くなる一方だった。
 「要するにどういうことだ」。いら立つ首相ら。最後に、河野大使はこう口走ってしまった。「私はあまりロシアに詳しくないので……」。次の瞬間、首相らの怒りが爆発した。
 後任と目される原田親仁(ちかひと)駐チェコ大使(59)は河野氏と違いロシアンスクール(ロシア専門家グループ)。だが、北方領土交渉の見通しが厳しい状況は変わらない。前原誠司外相は早ければ2月にもロシアを訪問、ラブロフ外相と会談し、対ロシア外交の立て直しの糸口を探る。外務省幹部は「まず北方領土訪問以前の状態に戻すところから始めるしかない」と言葉少なだ。【犬飼直幸】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101224-00000005-mai-pol

 このニュースを読むと河野大使の失策のように見えます。しかし、次のニュースを見ると、情報は外務省に入っているし「大使館が訪問する可能性は当面ない」と報告した事実はない、となっています。

駐露大使更迭へ 大使館幹部「情報は刻々伝えた」
産経新聞 12月24日(金)7時57分配信


 【モスクワ=佐藤貴生】日本政府が事実上、河野雅治駐露大使を更迭する方向で検討している問題で、ロシア外務省のサゾノフ副報道官は23日、「大使を指名したり呼び戻したりするのは(日本)政府の権利だ」と述べ、日本の内政問題だという考えを示した。インタファクス通信が伝えた。
 ロシアの通信社は同日、このニュースを相次いで報じた。イタル・タス通信は「メドベージェフ大統領の北方領土訪問について、信頼できる情報を十分に集められなかったことの責任を問われた」とし、後任に浮上している原田親仁駐チェコ大使の簡単な経歴を紹介した。
 在モスクワ日本大使館の幹部は22日夜、「大統領の北方領土訪問に関する情報は刻々と東京の外務省に伝えてきた。それを首相官邸に伝えるのは本省の仕事だ。大使館が『訪問する可能性は当面ない』と報告した事実はない」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101224-00000113-san-int

 なにが本当かわかりませんが、「政治主導」を掲げるのであれば、情報収集、分析について大使館、外務省にあらかじめ的確に指示しておいて、最終判断は官邸で行うべきでしょう。「なぜだ。なぜ訪問しないと判断したのだ」と今頃問いただしたところで何の意味もないでしょう。責任をなすりつけているだけです。


添付画像
 北方領土返還を訴える看板。函館市内にて。Author:shirokazan

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