天長節

天皇陛下万歳


 現在、「天皇誕生日」と言われている日は本来、「天長節」という日で戦前は「天長節祭」が執り行われていましたが、戦後は「天長祭」と名称を変えています。天皇の誕生日を祝うのは古くは光仁天皇宝亀六年(775年)に行われた記録がありますが、その後は長続きしていません。おそらく昔は正月に一斉に歳をとる数え歳だったためで誕生日は重視されなかったためと思われます。

 明治に入ってから西洋では元首の誕生日を祝う習慣があることにより、「天長節」を制定しました。老子の「天地所能長且久」(天地が絶えることなく続く意味)という語から名づけています。明治天皇は旧暦でいう九月二十二日がお誕生日でしたが、のちの太陽暦の採用によって十一月三日となりました。大正天皇は八月三十一日でしたが、暑さのため祝賀行事は十月三十一日に行われていました。昭和天皇は四月二十九日です。

 祭祀には「大祭」と「小祭」があり、天長祭は「小祭」になります。天皇陛下と皇太子殿下のみの御拝礼です。天皇陛下のご長寿をお祈りし、聖寿の長久を寿ぎ(ことほぎ 言葉で祝うこと)、ご自身でも感恩の叡慮(えいりょ)を述べます。午前八時ごろにこの御拝礼があり、その後、モーニングに御改服されて宮殿長和殿にお出ましになり、午前中は国民の参賀をお受けになります。
 ほそ長い長和殿の前が東庭というところで、ここに参賀者が入ります。長和殿などの宮殿は「威厳よりも親愛、荘重より平明」を基本理念として建てられています。外観は和風建築で自然物と調和するデザインとなっています。昨年、一般参賀に行って参りましたが、まわりの木々などの風景との調和が感じられましたし、簡素なので皇室らしいと感じました。東庭の石畳は水はけがよく軟らかい香川県安山岩が使われています。昭和天皇のご意向によってなるべく人々の足に優しいものを、ということで選ばれました。

 昨年の天長節一般参賀は平成に入ってから過去最高の3万560人となっています。晴天に恵まれたというのもあるでしょうが、これまでの最高参賀者数は、一昨年の2万2655人でしたから、急速に国民に皇室敬愛の念が高まってきているのではないでしょうか。

 天皇陛下におかせられましては、七十七歳をお迎えになられました。天長節を御祝寿申し上げ、末永き御長寿を心より御祈願申し上げます。

 天皇陛下 万歳
 日本国  万歳



参考文献
 転展社「宮中祭祀」中澤伸弘著
 小学館天皇論」小林よしのり
参考サイト
 天皇陛下「健やかに新年を」 一般参賀、過去最高3万人(昨年のニュース)
   http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/091223/imp0912230753005-n1.htm
添付画像
 平成二十一年の天長節一般参賀(JJ太郎撮影 PD)

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天皇誕生日一般参賀  日本初フルHD 平成21年
http://www.youtube.com/watch?v=X0WXE4zTa9w

 昨年行ってきましたが、私の周りにはミーハーなおばさん一団がいました。言葉の感じから察して支那人、韓国人もいました。ツアーできている外国人が多いと思われます。南米系と思われる外国人や子供連れの白人もいました。私は東庭の中段ぐらいにいましたが、「天皇陛下万歳」という声がところどころで聞かれました。前列方面ではだいぶ万歳三唱をやっていたようです。それにしてもすごい大歓声でした。