皇居勤労奉仕団


 皇居勤労奉仕団とは皇居や東宮御所・各宮家の邸宅のある赤坂御用地の敷地内の清掃などをボランティアで行うものです。15人以上で60人までの団体(15歳以上70歳以下)を組めば年間を通じて誰でも応募、参加できます。平日の4日間連続で作業します。このとき陛下がご会釈されることがあります。会釈(えしゃく)というのは非公式に会うという意味です。余談ですが、陛下が人に会う行事は「会見」「引見」「拝謁」「会釈」「お茶」「お茶会」に別れています。「会見」は元首級に使われる言葉です。No2級だと「引見」と言います。マスコミはときどきNo2級でも「会見」と言ったりするので注意が必要です。

 昭和20年終戦後、空襲で草が生い茂った皇居の草刈をさせてくれと、宮内省(当時)に申し出た国民がおり、これが皇居勤労奉仕の起源です。62名の男女が自主的に上京してきて3日間奉仕しました。このとき昭和天皇は大変喜ばれて勤労奉仕団の前に姿をお見せになりました。これが口コミで全国に広がります。昭和26年には4万人に達しました。これを昭和天皇が宮内府の屋上からご覧になられたのが現在行われている「一般参賀」の起源になります。

 勤労奉仕団は学校や赤十字といった団体が取りまとめて申し込み、奉仕しているようです。チャンネル桜でも募集しています。平成16年の数字を見ると291団体9241人が参加しており、17年〜19年も200団体台、6000〜7000人で推移しています。
 「ご会釈」は主に毎週火曜と金曜の午前に皇居内の宮内庁庁舎脇にある蓮池三集所で行われており、陛下からねぎらいの勅語があり、団体の代表者には直接、お言葉をかけられます。そして最後に奉仕団が「天皇陛下皇后陛下、万歳」と万歳三唱して終わるようです。



参考文献
 「天皇陛下の全仕事」山本雅人著
 「天皇論」小林よしのり

参考サイト
 宮内庁 皇居勤労奉仕のご案内 http://www.kunaicho.go.jp/event/kinrohoshi.html

添付画像
 皇居を大手町付近から(JJ太郎撮影 PD)

広島ブログ クリックで応援お願いします。