GHQ憲法九条から生まれた悲しいウソ

 1990年以降、ワシントンの国立公文書館でCIAの前身にあたるOSSの機密文書が再調査されています。これによると「日本計画」といわれる対外基本戦略が作成されていることがわかっています。このOSSが知識人向けのマルクス主義と言われる「フランクフルト学派」の巣窟になっていました。OSS計画のもとGHQは占領政策を行っていきます。

 GHQピンカーズ(赤い奴)たちは「二段階革命理論」で日本共産化を目指しました。「社会主義軍国主義の破壊を通して、ブルジョア民主革命を達した後に得られる」というものです。象徴天皇を通して日本を統治し、他の改革を待って廃絶に追い込むというものです。これらはそもそも天皇を「KING」と誤解しており、日本の伝統的民主主義を理解していなかったことから出発しています。
 日本国憲法はこの理論に基づいて作成され、憲法第九条の軍隊を持たない、というのも第二段階の革命を行いやすくするためのものでした。憲法九条は国防に関することが目的ではなく、内政の問題だったのです。

 マッカーサー憲法第九条を強く推し進めています。憲法が国会で成立した後、1946年10月と1947年5月の天皇・マッカーサ会談で国際情勢に対して憲法九条を懸念する昭和天皇に対してマッカーサー憲法九条の必要性を力説していることから伺えます。マッカーサーはOSSの計画通り進めていたのです。ちなみにマッカーサー側の通訳は憲法作成に加担した共産主義者ハーバート・ノーマンです。

 マッカーサーがどの時点でGHQ内にピンカーズ(赤い奴)が占めていることに気がついたのでしょうか。1948年(昭和23年)に米国務省政策企画部長のジョージ・ケナンが来日し、GHQ民政局のピンカーズの危険性を警告しています。1948年(昭和23年)米国で出版された「アメリカの鏡・日本」の著者ヘレン・ミアーズ女史とマッカーサーは激しく論争しています。おそらくこの頃から「失敗」を意識したでしょう。

 そして日本は吉田茂らにより戦後レジームを決めていきます。「軍備はやらん・経済再建一本で行く。米国は日本を守れ・それが米国の義務だ」

 その後、日本人はこんなウソをつき始めます。

憲法九条があったから日本は平和を維持できた」

「軍備にお金を使わなかったから経済が発展して豊かになった」

 
 日本の憲法九条のようなものをもっていなくてもほとんどの国が第二次世界大戦後は世界全体が平和への努力をし、局地的に戦争はあったものの世界大戦を回避しています。平和と憲法九条は因果関係はありません。軍事バランスや核の抑止力がもたらした平和でしょう。核兵器を持った大国同士はもう戦争はできません。日本は安保によって核の傘下で平和が守られてきたに過ぎません。
 昭和初期から日本は軍事大国でしたが、GNPはどんどん上がり豊かになっています。現在の中共も軍事力を拡大しても経済成長し、豊かになっています。軍備と経済の因果関係はありません。

 豊かになった日本、戦後の成功が日本人を思い上がらせ「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1980年ごろ)の声に高揚し、戦後を全肯定し、ウソを撒き散らしたのです。フランクフルト学派が日本を破壊し、その後の革命のために憲法九条を作ったことを考えるとなんと悲しいウソであることでしょうか。



参考文献
 ワック出版「歴史通」WILL10月号別冊
   『野坂参三共産政権の誕生』田中英道
 新潮45・9「二重外交展開、占領下も『君主』でありつづけた昭和天皇」河西秀哉
 「続・日本人が知ってはならない歴史」若狭和朋著
 「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」中西輝政


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