GHQ憲法の罠「国民主権」

 私は子供の頃、日本で誰が一番偉いか?というような冊子を読んだ覚えがあり、最終的に国民主権だから国民が一番偉い、というようなことが書いてあったと記憶しています。昭和22年に文部省が「あたらしい憲法の話」を中学一年生用に発行しています。これには「国では誰が『いちばんえらい』といえるでしょう」の問いに「民主主義の憲法ですから」「国民全体が一番えらいといわなければなりません」「主権はとうぜん日本国民にあるわけです」と書かれており、私が読んだ冊子もこの流れを汲んでのものでしょう。

第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 現在の憲法は戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)によって作成されました。憲法の一条は天皇の存在は国民の総意に基づくと書かれています。つまり国民の総意がなければ皇室は廃止できるということです。戦後まもなく、イギリス、オーストラリア、ソ連らが日本の皇室廃止を訴えていたのに対して、マッカーサーはそんなことをすれば日本が大混乱になり統治できなくなると考え、皇室を残したといわれています。玉砕覚悟で突撃した日本兵カミカゼ特攻隊が背景にあります。しかし、ソ連が強く要望するので、「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」を入れました。将来、皇室を廃止可能にしたわけです。また、皇室よりも国民が上であるかのような意識を持たせ、皇室を軽んじさせる効果も狙っています。マッカーサーもこの後ずっと皇室を残すつもりはなく、皇族の数を制限し、華族を廃止して「立ち枯れ作戦」をとっています。これは現在の皇位継承権を持つ皇室皇族の方の年齢を見ればボディーブローのように効いてきているのがわかると思います。

 国民主権というのはもともとは危険思想であり、国民の意思自体が法になり暴走可能な無限定な力なりえるとされています。このため米国は自国の憲法に「国民主権」を入れていません。日本を実験台にしたのでしょう。うまくすると日本が勝手に破滅してくれて労せず米国の脅威でなくなると思ったのでしょう。
 ちなみに明治憲法天皇主権だったが、戦後、国民主権になったと教えられた人が多いと思いますが、これはウソっぱちで、明治憲法では主権は明記してていません。国家に主権があったという解釈が多いようです。法学部の試験で明治憲法の主権者を「天皇」と書くとペケになるそうです。このウソは天皇を特権階級のように見せかけ、国民と対立構造にしたいがためのGHQの罠でした。「天皇制」という言葉はコミンテルンが作った悪意の言葉です。天皇は制度ではありません。



参考文献
 「天皇論」小林よしのり
 「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」中西輝政
 「続・日本人が知ってはならない歴史」若狭和朋著


広島ブログ クリックで応援お願いします。