南京虐殺のデッチあげ証言にご用心

お年寄りは記憶もあやふやで、あることないことしゃべるもの。




 昭和12年(1937年)12月、支那事変南京戦で南京大虐殺があったといわれ、それとわかる日本兵の証言がよく取り上げられてきましたが、証言というのは裏取りしなければ犯罪の立証には使えません。東史郎の「わが南京プラトーン」という著書など郵便袋に支那人を入れ火をつけ手榴弾をくくりつけて殺害したなどデッチ上げたのは有名な話です。

 10年ほど前に出版された「南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて 元兵士102人の証言」もデッチ上げ本として有名で、これは虐殺肯定派さえ「信憑性を疑う」としており、著者の松岡環氏(女性)は性懲りもなく「戦場の街 南京」という本を平成21年(2009年)に出しています。こっちのほうは陣中日記と程瑞芳日記の記載があり、まだ資料として使える部分もあるのでマシなほうですが、他はモロにでっち上げのプロパガンダです。

 どんなものかと「元兵士102人の証言」を入手し、パラパラと見ていましたところ、金陵女子文理学院に関する記載がありました。これなら素人の私でも「南京事件の日々 ミニー・ヴォートリンの日記」と比較できます。ミニー・ヴォートリン女史は南京戦のとき金陵女子文理学院で難民を受け入れていた責任者です。

 歩兵第33連隊第2大隊 井上益男(仮名)
「紫金山から降りて、三、四時間歩いて、九師団の脇坂部隊が入った光華門の隣、中山門から南京城に入った。南京陥落当日(13日)だと思う」

第33連隊第二大隊は邑(手へん付)江門から南京城へ入りました。しかも14日のことです。中山門は紫金山のすぐ近くです。三、四時間歩いたのですから、邑江門です。

「南京陥落後、金陵女子大の警備に入った」

金陵女子大は金陵女子文理学院のことで、国際委員会が管理する安全区の中にあります。ここは12月13日の陥落から12月24日まで第7連隊の受け持ちで、24日以降は第38連隊の受け持ちですから、第33連隊は中に入れません。ちょっと考えにくい話です。

「女子大は女の人の避難所や。そこに日本の将校たちがよく来て『ちょっと入るで』と言って、女子大の構内に入って行っては女の子を連れて出て行った」
「あの人ら(将校)はトラックできた。昼間はあまり来ない。1日だいたい2、3台来るな。将校を含め兵隊4,5人で来て3人は銃を持っている」「1日5,6台来る時もある。1台に20人ぐらいの女の子を乗せて連れて行くこともあり、嫌がって泣く子もいた」

ヴォートリンはシナ人が収容所に入れてほしいため日本兵の暴行にあったというウソ話を信じており、日本兵の出現にはピリピリしていました。ですから、事件があれば必ず記載があるはずです。しかし、「ヴォートリンの日記」には頻繁に日本軍将校が女性を連れ出したという記載はありません。連れ去られたとする記載は17日に使役のための12人の徴用と思われる記載(ヴォートリンは女性が連れ去られたと誤解。程瑞芳日記には翌日11名が帰ってきたと記載)があります。12月24日に慰安婦の募集がありますが、ヴォートリン、程瑞芳立会いのもと21人が自主的に応募しています。

 まったく井上益男という人はデタラメなことを言っています。これは証言当時は83歳という高齢で色々な記憶が混ざってしまったためと思われます。第33連隊は12月24日から安全区の南側が担当地区となっています。天野中隊長事件という軍紀を乱す事件がありましたが、それらや色々な噂や炊事や洗濯の使役のため募集した女性がトラックに乗っているのを見たりして、歳とともにごっちゃになってしまったのでしょう。こういうのは聞き取る側が記憶を整理できるような形で聞き出さなければならないのですが、松岡環氏は反日プロパガンダ証言が欲しいのでそれをやっておらず、自分が求める方向に証言を誘導していったのでしょう。近現代史研究家の阿羅 健一によると歩兵第33連隊第5中隊の第1小隊長だった市川治平さんは歩33の生き字引とも言われているのに、松岡環氏は取材にこなかったといいます。市川氏は「102人の証言」を読んで、次のように述べています。

「本当にばかばかしい本です。私のところに聞き取りには来ませんでしたが、元気なり二人の戦友に尋ねたら、二人にも来なかったと言っています。まともな話をする人には行かないようです。確かに予備役には悪い事をする人もいましたが、この本をざっと読んだところ、強姦などの話は、創作8割、本当2割 でしょう」

 こういったバカばなしを朝日新聞毎日新聞テレビ朝日がとりあげていたのですから、困ったものです。今はネット言論が嘘を暴露するので、以前ほどではないでしょうが、デッチ上げ証言には注意したいものです。




参考文献
 明成社「再審『南京大虐殺』 世界に訴える日本の冤罪」竹本忠雄・大原康男(共著)
 社会評論社「南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて 元兵士102人の証言」松岡環(編著)
 展転社南京事件の核心 データベースによる事件の解明」冨澤繁信(著)
 大月書店「南京事件の日々 ミニー・ヴォートリンの日記」岡田良之助・伊原陽子(訳) / 笠原十九司(解説)
 展転社「データベース『南京事件のすべて』」冨澤繁信(制作)
参考サイト
 「南京戦・元兵士102人の証言」のデタラメさ(「正論」平成14(2002)年11月号より転載)
  http://www.history.gr.jp/~nanking/books_seiron0211.html
添付画像
 南京総攻撃に待機する日本兵は焚火を囲んで悠々新聞を読む(1937年12月9日撮影)(PD)

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なぜ、「南京事件」は捏造されたのか?
http://www.youtube.com/watch?v=9jWIHnks7uo