脱原発より我々がやるべきは「もったいない」文化の育成

世界に広まる「もったいない」文化。



大飯再稼働:撤回求め官邸前でデモ 列は700メートルに
毎日新聞 2012年06月22日 21時22分(最終更新 06月22日 21時40分)
 東京・永田町の首相官邸前で22日、関西電力大飯原発の再稼働撤回を政府に求める抗議行動があった。主催者によると約4万5000人、警視庁によると約1万1000人が参加。周辺の歩道を埋め尽くした人が「再稼働反対」と、約2時間にわたって声を上げた。・・・続き http://mainichi.jp/select/news/20120623k0000m040067000c.html
 「昔安保で今原発」というところでしょうか。昨日、「安保闘争の陰に中共あり」と書きましたが、「反原発」の陰にもありそうな・・・

 6月14日の読売新聞にエネルギー問題の世界的権威として知られるアメリカ民間調査研究機関IHSケンブリッジエナジー・リサーチ・アソシエーツ会長のダニエル・ヤーギン氏が電力不足に直面している日本のエネルギー政策のあり方などについて論説を出していました。

原発"現実的対応を"
「日本は、電力を将来にわたって、どう確保するかという岐路に立っている」「現時点では一定の電力を原発に頼らざるを得ない。電力不足による産業活動の停滞は、生産拠点や雇用の海外流出を招く恐れもある」

 「反原発の陰に中共あり」だとすると彼らは日本弱体化、日本国内の混乱を狙っていると言えます。

「福島の事故後、ドイツは『脱原発』を宣言したが、それでも撤廃の起源は2022年だ。今後10年間は代替技術の開発に取り組める。ところが日本は国内全ての原発が止まった。これは少し極端だ。エネルギー問題の解決は、現実的でなければならない。(中略) 10年後、20年後の世界のエネルギー問題に対応できる技術革新が進むまで、原発を含めた多様な技術を組み合わせるのが現実的だ」

 もっともな意見です。多くの国民は薄々と同じ見解を持っているのではないでしょうか。イデオロギーに押しまくられる政府、「反原発」話題ばかり取り上げるマスコミによって国民は判断を狂わされていっているような感があります。

「天然資源を持たない日本が、巨大な経済を持ち得た源泉は、『国民の頭脳』にある。日本が世界に誇れる技術の一つはエネルギー効率の高さ、節電だ。『もったいない(Mottainai)』という言葉一つにも、米国や他の国が日本から学べることはたくさんある。日本は、太陽光発電など再生可能なエネルギーの開発を一層強化してほしい」

 「もったいない(Mottainai)」・・・これは日本の優れた精神文化です。この「Mottainai」を世界に広めたのはノーベル賞を受賞したケニア環境副大臣ワンガリ・マータイさんです(※1)。残念ながら昨年なくなりましたが、彼女は平成17年(2005年)に来日し、そのとき感銘を受けたのが「Mottainai」という日本語でした。
 マータイさんは「Mottainai」は消費削減(リデュース)、再使用(リユース)、資源再利用(リサイクル)、修理(リペア)の四つの「R」を表していると解説し、「MOTTAINAI」と書かれたTシャツを手に「さあみんなで『もったいない』をいいましょう」と呼びかけました。さらに「限りある資源を有効に使い、みんなで公平に分担すべきだ。そうすれば、資源をめぐる争いである戦争は起きない」と主張しました。(※2)

 「もったいない」という言葉にピッタリ来る外国語はないといいます。英語では「wasteful」が比較的近いです。「浪費的な; 不経済な,むだな.」(※3)という意味になりますが、4Rを指すMottainaiとはピッタリあいません。日本発の言葉でしょう。
 「もったいない」というと日本は貧乏だったから、そんな言葉が生まれたのではないか?とも考えられます。「もったいない」をWikiでひきますと、仏教用語の「物体(もったい)」を否定する語で、「物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ、嘆く気持ちを表している」とあります。さらに「日本の民族信仰である古神道を源流とする神道においては、『散る桜の花びら』や、『吐息の一つ一つ』にまで命が宿るとされ、森羅万象に対して、慈しみや感謝の念をもって接してきた。その心根が『もったいない』という価値観の根底に流れている」とあります。日本の伝統から生まれた言葉といえます。旧宮家・ジャーナリストの竹田恒泰氏は「もったいない」を総じて尊いものや価値あるものが、穢(けが)され、粗末に扱われ、能力が発揮されず、本来あるべき状態から離れているさまなどを惜しみなく嘆く気持ちを表す言葉」と説明しています。(※2)

 この日本の「もったいない」文化が完成したのは江戸期でした。幕末期の歌舞伎では「この家のものは、竈(かまど)の下の灰までおれのものだ」というセリフが見せ場の題がありましたが、灰は灰を買う業者がいて、カリ肥料や酒造り麹菌(こうじきん)の発酵作りから製紙、繊維、染色、陶器の釉薬(うわぐすり)、洗剤作りにも利用されていたのです。紙くず一つ捨てようものなら、紙くず拾いという業者が拾って再生していましたし、錠前直し、雪駄直しといった、修理(リペア)から古傘を買う業者がいて骨を直して紙を貼り直して売るという、リユース、リサイクル・・・人の糞尿でさえ発酵させて優良な肥料となり農作物を育て、それを人がたべ、また排出物が出るというリサイクルでした。西洋ではそこらじゅうに糞尿が捨てられ、河に流され、イギリスのロンドンもフランスのパリもあまりにも臭くてルイ14世がベルサイユ宮殿を作ったのは臭いパリから逃げるためだったというのは冗談話ではありません。ニッポン江戸は街も河もクリーンでした。このほか江戸の「もったいない」文化を取り上げればきりがないでしょう。(※4)

 私たち日本人は「反原発」という怪しげな人たちに惑わされることなく、日本の伝統的に優れた「もったいない」文化を育成し、江戸をお手本にし、得意の技術により未来を切り開いていくべきでありましょう。

 前出のヤーギン氏の括りの言葉。
「私は日本の将来を楽観している。日本人はこれまでも、常に自力で解決策を見つけてきたからだ」



※1 ワンガリ・マータイさん Mottainaiは世界の合言葉  http://mottainai.info/
※2 PHP新書「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」竹田恒泰(著)より
※3 Weblio英和和英
※4 江戸時代の引用は講談社文庫「大江戸リサイクル事情」石川英輔(著)、河出書房出版「江戸の庶民の朝から晩まで」歴史の謎を探る会(編)より

添付画像
 事故前の福島第一原子力発電所 Auth:KEI(CC)

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以前の反原発デモの写真から
なんで「打倒日帝」でしょか。

ハングル文字が見えますが。

反戦」とか「九条」とか「沖縄」とかねえ。労組関係者が多いようですな。