教科書に大東亜戦争はどう書かれているか

「歴史教科書がおかしい」の続編。悪いことばかり摘むのはマスコミと同じ手法。


 平成24年度に使用する教科書見本を展示しているというのをネット情報で入手し、7月3日に行ってまいりました。教科書は「育鵬社」「帝国書院」「教育出版」を見ました。「東京書籍」はちょっとだけ。ざっと独自の採点するとこんな感じです。

比較ポイント
教育出版
満州事変××
支那事変×
通州事件×××
南京事件××
日米開戦××
大東亜会議・大東亜共栄圏××
日韓合邦××
江戸時代の身分制度××
江戸時代の農民からの徴税×

 日米開戦への経緯については「育鵬社」が日米交渉と米国の全面禁輸を書き、「ハル・ノート」にもふれていました。さらにコラムを儲けて外交官、A・キッシンジャーの著書を引用し、「ルーズベルト大統領が”ハル・ノート”を日本が受け入れる可能性はないと知っていたに違いない」と載せています。まずまず、といったところでしょう。個人的には米国が日本が開戦するように計画した「マッカラム・メモランダム」を記載してほしいところ。(※1) 大東亜会議も大きく取り扱われ、B・I・A(ビルマ独立義勇軍)、I・N・A(インド国民軍)、Peta(インドネシアの郷土防衛義勇軍)のこともきちんと書かれています。我々の先人が大東亜戦争を戦った意義を示しています。
 帝国書院は「石油や鉄の輸出を制限」とだけあり、「ハル・ノート」という記載はなく、その内容を記載しています。今ひとつ日本が戦争せざるを得なかったという状況に消極的な記述をしているという印象を持ちます。「大東亜戦争」という記載も見られますが、「太平洋戦争(アジア太平洋戦争)」という記載を正式に採用しているようです。「大東亜共栄圏」について記載はありますが、アジアの占領地に対して「物資や食糧の強制徴収、軍の取り締まり、抗日運動がおきた」とかかれており、悪い点だけ摘んでいます。アジア諸国で日本の支援により独立した国、独立のための準備をした国のことが一切かかれていません。これでは我々の先人に失礼です。

 教育出版社では、を「大西洋憲章」を比較的大きく取り上げていました。「領土不拡大・・・貧困、恐怖、生きる権利から脅かされない・・・」。どうやら戦後民主主義、人権などの思想連中が書いたのでしょう。「大西洋憲章」など米英の欺瞞であり、本来日本とアジア諸国の「大東亜共同宣言」にふれるべきでしょう。いったいどこの国の歴史教科書だと思っているのでしょう。全くのウソこきなのが「ベトナム、フィリピン、ビルマなどでは日本軍に抵抗し、独立を目指す動きが強まった」という記述です。ベトナムは昭和20年(1945年)3月の「明号作戦」により日本軍がフランスを追っ払い独立したのです。(※2) フィリピンも日本軍がアメリカを追っ払ってラウレル大統領が第二共和国の大統領となりました。これは現在、フィリピンでも認められており、マラカニアン宮殿に歴代大統領としてラウレル大統領の肖像画があります。(※3) ビルマも日本軍がイギリスを追っ払い独立したのです。初代首相のバー・モウは「真実のビルマ独立宣言は、1948年1月4日ではなく、1943年8月1日に行われたのであって、真実のビルマ解放者は、アトリー氏とその率いる労働党政府でなく、東條大将と大日本帝国政府であったとはっきり述べています。(※4) のちにアウンサン将軍が日本を裏切りましたが、それもやむをえない事情がありました。(※5)
 さらに教育出版で気が付いたのが昭和15年に日本軍がベトナム北部に進駐したこと(北部仏印進駐)を「侵攻」と書いていることです。まるで武力で侵略したみたいに見えてしまいます。北部仏印進駐は「松岡−アンリ協定」というフランス政府と話会いによって決まったものです。(※6)

 こうした事実を無視して日本悪を刷り込む教育出版社は何者なのか。一応、「日本のシンドラー杉原千畝」を紹介しているので、これは評価できます。しかし、本来は杉原千畝を出すのなら、オトポール事件も出さなければなりません。東條英機樋口季一郎らが5000人のユダヤ人の命を救いました。(※7)





※1 マッカラムメモランダムとは米海軍情報部極東課長のアーサー・H・マッカラム海軍少佐によって作られたもの。この計画に基づいて日本を戦争に引きずり込んでいった。「真珠湾の真実」ロバート・B・スティネットによって明らかにされた。関連記事:マッカラムメモランダム http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/22499121.html
※2 明星社「日越ドンズーの華」田中孜(著)より
※3 桜の花出版「フィリピン少年が見たカミカゼ」ダニエル・H・ディソン(著)より
※4 関連記事:ビルマ独立宣言 http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/26302444.html
※5 関連記事:アウンサンの裏切り 〜 ビルマ http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/26518584.html
※6 転展社「大東亜戦争への道」中村粲(著)より
※7 関連記事:オトポール事件 http://blogs.yahoo.co.jp/jjtaro_maru/26737311.html


※ 時間が2時間しかとれなかったので、教科書展示会で教科書を購入して帰るつもりでしたが、24年度版はまだ販売していないということでした。ですので、比較ポイントを自分なりに絞ってメモってきました。いづれ販売されれば購入してきちんとした比較をして再評価したいと思います。現時点ではメモ+記憶であることをご了承ください。

添付画像
 育鵬社の教科書(JJ太郎撮影 PD)

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